Shunzou's Diary

Shunzouの日記

起業二年目 小説ゼロムの物語(29)

ある問題が浮き彫りになってきた。コウの従業員に対する態度が厳しすぎるのだ。常に高圧的な態度で接する時間が長くなってきたコウの精神状態もきつかったはずだ。しかしながらゼロムはコウの弱音を聞いたことがない。逆に従業員たちはゼロムにしきりにコウのことを相談するようになっていた。言い方が厳しすぎる。指示された業務の納期が短すぎる等の相談である。そのたびにゼロムは頭を抱えることになる。コウはいつも間違っていなかったからだ。従業員に対する高圧的な態度を除いては。

 

 

 

ある日ゼロムにも限界がきた。もうコウと一緒に仕事がしたくなくなってしまったのだ。ゼロムは当時コウ以外に三人の従業員を雇っていたが全員がコウと仕事をするのが怖いという状態になってしまい、会社自体の存続が危ういとゼロムは判断した。そこで思い切った決断をする。創業メンバーであり一番優秀なコウを切るという決断をしたのだ。

 

 

 

 

ゼロムは、コウにそのことを切り出すためにありったけの精神力をつぎ込んだ。会社近くの喫茶店でゼロムはコウに全てを話した。自分含め従業員全員がコウと仕事をするのに疲れてしまい限界だということを。コウは相当にショックを受けたようだった。なににか?それは従業員だけでなくゼロムも限界を迎えているということにだった。コウはゼロムと仕事ができることは自分にとって一番大事なことだと話してくれた。これはゼロムの心に突き刺さった。こんなことを言ってくれるパートナーを切ろうとしたのか?ゼロムはいたたまれない気持ちになった。だが引き下がるわけにはいかない。従業員は実際に限界を迎えているのだ。しかし、結局ゼロムはコウの熱意に負けた。コウは変わると約束してくれた。それを信じると心に決めた。

 

 

 

 

会社に戻ると従業員たちが不安そうにこっちを見てきた。ゼロムは従業員たちにも申し訳ない気持ちになった。有言実行できなかったと。

 

 

 

 

しかし、それ以来コウは従業員たちに対する接し方を変化させた。ちょっとでも気になる点があればゼロムもダイレクトにコウに指摘するようになった。

 

 

 

 

小さな組織では皆本音で話せることが超重要なのだ。それを悟ったゼロムであった。

 

 

Shunzou

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