Shunzou's Diary

Shunzouの日記

隔離病棟のガッチャン部屋 小説 ゼロムの物語(32)

ガッチャン部屋は孤独だ。一人で狭い部屋に何日も閉じ込められる経験は誰にでもあるわけじゃない。こんな経験したくなかった。ひとつだけ救いがあった。ノートとペンが許されたことである。そこで書いた絵は魔人のような悪魔のようななんとも言えないものだった。三日間が過ぎたところでガッチャン部屋から解放された。ゼロムは喜んだ。まだ隔離病棟にいるとはいえ狭い個室から解放されたからだ。病院には色々な患者がいた。ゼロムと同年代の者もいたが真に打ち解けることはなかったように思う。四六時中気になっていたのは何も知らせずに入院させられてしまい心配しているであろう光のこと。光のことを思うと胸が痛かった。常に胸が痛かった。次に気になったのは自分の会社のことだった。社長である自分がいなくて大丈夫なのか。会社は回るのか。とても気がかりであった。病院での生活は死ぬほど退屈なものだった。ゼロムはじっとしていることが出来ずに夢遊病患者のように限られたスペースを彷徨った。歩いていないと心が壊れそうだった。一ヶ月ほど経ったところで自分の入院は二ヶ月半であることがわかった。まだ一ヶ月半もある。地獄だった。ゼロムはこんなに退屈で不毛な二ヶ月半を過ごしたことはなかった。得たものといえば反省だった。周囲の者に心配を掛け続ける行動をとった自分を呪った。二度と周りに迷惑をかけるような行動は取るまいと心に誓った。と同時にゼロムは両親が怖くなった。分厚い経済力に支えられた両親はこのような強制入院を執行する力があるのだ。心配を掛けてはいけない。心配を掛けてはいけない。ゼロムの心は入院したことにより逆にどんどん病んでいった。仕事がしたい。光に会いたい。仕事がしたい。光に会いたい。思考がぐるぐる回り続けた。そうして過ごしているうちに父が面会にやってきてある事実を打ち明けた。ゼロムの会社の株式をゼロムから取り上げ父とコウに分配したと言うのだ。ゼロムはショックを隠しきれなかった。自分の会社の権利すら失ってしまった。。。しょうがないか。今の自分には何も出来ない。ゼロムは事実を受け入れるしかなかった。

 

 

Shunzou

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